2011年

7月

02日

茨城県北ジオパーク構想インタープリターによる高萩ジオツアー報告

2011年6月19日(日)に開催された高萩ジオツアーでガイドを行った茨城県北ジオパーク構想インタープリターによる実施報告です。

 

 

高萩ジオツアー「猫内断層と温泉物語」報告書


日時:平成23年6月19日(日)
場所:高萩市

 

梅雨の晴れ間の1日、高萩郊外で断層、史跡、温泉を楽しむジオツアーが開催されました。一般参加者28名に案内・主催者スタッフをあわせて総勢41名となかなかの大盛況でした。行程は次のとおり。

 

① 高萩市図書館を出発
② 安良川八幡宮の由来と、本殿脇にある国の天然記念物である爺スギを見学
③ 温泉病院近くの源泉を見学
④ 大高寺別院近くの弘法霊泉を見学
⑤ 能仁寺の由来と十一面観音と十六羅漢(版画)、境内の楠(くすのき)を見学
⑥ 朝香神社近くの露頭で断層を見学
⑦ 手綱温泉で入浴・昼食
⑧ たつご味噌で味噌倉見学
⑨ 高架橋(みはらし坂)から田園と地形を見学
⑩ 高萩市図書館着 解散

 

各ポイントではインタープリターが交代で解説にあたりました。高萩グリーンツーリズムのみなさんも、時々地元ならではの情報をさしはさんでくださいまし た。移動の最中も参加者同士で、温泉や今回の地震のこと、目にとまった植物や蝶・鳥のことなど楽しげに会話する姿がみられました。そんな風に和気藹々と歩 けたので、全行程約12㎞もそんなに苦ではありませんでした。

 

神社仏閣の中には、創建が平安時代に遡るものもあるとか。境内の樹木もかなり古いものもあるようで、風土記の時代から「多賀郡(たがのこおり)」として歴史を刻んできた土地だということを実感することができました。

途中で何箇所か新生代の地層が確認できる露頭もありました。地質に興味のある方も結構おられたようで、断層らしい亀裂をみつけて左右の層を比較したりしながら「正断層か?逆断層か?」と熱心に話し合っていました。

またコースの途中には何箇所か源泉の取出し口を間近で見る場所もありました。この近辺では温泉が自噴しているところが多いようです。実は入浴した手綱温泉 は、通常は利用されていない場所だそうです。温度が低い(30度前後)ので炊き沸かす必要はありますが、湯量もあり源泉かけ流しのいい温泉です。今回特別 に利用させていただきましたが、参加者からも好評だったのでちょっと勿体ない気がしました。

 

手綱温泉は震災後自噴が少し強まったということで、源泉用のパイプから時々ブホッと吹き上がる様子もみられました。県内ではめずらしい硫黄分を含んだ源泉から流れ出した温泉は、田んぼの周辺の排水溝にも黄色く湯の花をさかせていました。

 

程よく歩いて最後の休憩に寄ったたつご味噌の味噌倉では、販売所でお味噌汁の試飲をさせていただきました。歩いて汗ばんだ身体にホッとする美味しさです。

ちょうどこの時期は、田植えが済んだ水田に短い稲が清々しい景色をつくりだしていました。そこに鴨やツバメが元気にとんできたり、オタマジャクシや陸に上 がったばかりの小さなアマガエルが元気に稲の間を行き来していました。新緑のこの時期に高萩の史跡、温泉、そして豊かな自然に触れることができました。

 

 

文章・構成 インタープリター 荒川和子