竜神峡の入口付近を通り福島県棚倉町にかけて南北約60km続く、日本有数の大断層である棚倉断層は日本列島の形成に重要な役割を果たしました。2000-1500万年前に起こったとされる日本海の拡大にともなって、日本列島が大陸から切り離され、現在の島弧の元が形成されました。その時に、日本海の東縁と西縁で断層が活動しましたが、その東縁の断層に相当するのが棚倉断層です。。
棚倉断層
ここでは道に沿って急な崖がまっすぐに続いています。この崖は「棚倉断層」がずれた時にできた急斜面で、断層崖と言います。棚倉断層は福島県棚倉町にかけて約60km続く、日本を代表する大断層です。この棚倉断層がずれた際に、この西側にある岩石がとても固く侵食に強かったために崖として残っているのです。
棚倉断層と日本列島の形成!
棚倉断層が活動した1500万年前は、日本列島が大陸から離れ、日本海が出現し始めた時期でした。その動きはまるでドアを押し開けるように、北と南に分かれて動き、それが今の日本列島のくびれの要因となりました。その境となったのが棚倉断層だと考えられています。
①3200万年~2000万年前
ユーラシア大陸の縁に割れ目が入り、その割れ目が拡大して日本海ができ始めました。
②2000万年~1500万年前
その後、日本海が一層広がりました。その時にできた割れ目の一つが棚倉断層です。
③1500万年前以降
海面が現在よりも高くなると茨城県は阿武隈山地・八溝山地の一部を除いたほぼ全域が海面下となりました。
④現在
海面が下がるにつれて、日本列島・日本海は現在の姿になり、棚倉断層の活動も収束に向かいました。